2022/06/20 21:19
前回送っていただいたSKPムーブメントを逆回転に改造したところまでは良かったのですが、使用される針の長いことにびっくりしました。
美容室用の逆回転時計。
鏡に映して使われるため、どうしても大きい時計で見やすいようにしたいという気持ちはわかります。
なんと分針の中心から先端まで205mmもあります。
あきらかにオーバーサイズです。
実際に動かしてみましたが、秒針は問題なく動いているものの分針はここから上に持ち上げられませんでした。
現象からして分針が動けないのは2番車のアミダ部のスリップと考えられました。
ムーブメントの評価項目に「2番運針トルク」というものがあります。
これを強制的に上げてやるしかありません。
腕の見せ所です。
これが2番車。
分針が取り付けられる歯車です。
時計はローターから分針そして時針まで歯車が連結、減速して動力を伝える構造ですが、「時刻合わせの時には時分針に回転力を伝えたいが秒針は動かしたくない」という機能を果たすために、2番の真と歯車がスリップする構造になっています。
これを分解。
この金属の歯車の真を挟み込む隙間を感覚的には0.5mm程度絞ってみました。
半日経過では問題がありませんでしたので、この方法である程度は修正可能と判断します。
100均の時計では2番車は真、歯車共にプラスチックですのでこの方法は使えません。
歯車が金属のSKPムーブメントだからできた裏技です。