2017/11/16 18:51

「ぷぷぷぷ・ぷれげ No.1


変な時計の愛好者と言われたロベルトは、自由に文字板をデザインできるまだ無名な「WatashiWatch」をはじめ、1か月間に数個の時計を購入しました。2017年、未来時計工房に謎の人物が訪れ、当時のあらゆる時計技術の粋を凝らした手頃な時計を彼への贈り物として注文しました。

注文は、できるかぎり部品に汎用品を使用し、さまざまな種類の複雑機構は全く不要という内容でした。


時計師としては長いブランクのあるぷれげに、 費用は4,320円以内で早く作れと命令しました。時計が完成したのは当。注文を受けてから4時間が経過しておりましたが、ぷれげ自身はピンピンしておりました。 


簡素を極め、起源や歴史にも影響しない、神話とは無関係のこの時計は、時計界やコレクターの間で話題にすらなりませんでした。その日の夕方、工房から盗まれることもなく、ロベルトに手渡しされました。


「ぷぷぷぷ・ぷれげ No.1」は、まさに笑える時計です。電池式で、時・15分・ 分を音で告げるミニッツリピーターや、2時、6時、8時の位置で日付、 曜日、月をそれぞれ表示するパーペチュアル・カレンダーは当然装備されておりません。また、10時位置のイクエーション・オブ・タイムは印刷です。時計の中央にはごく普通の時分針が配され、1030分の位置には48時間のパワーリザーブ、130分の位置にバイメタル温度計が印刷により配されています。


当時のニセモノ時計業界では「中身セイコー」と片言の日本語で説明されるプラスチックを多用したムーブメントは、特別の加工が施された17個もの部品から構成されています。地板、受け、微小な歯車は、エンジニアプラスチックから作られています。サマリウムコバルトを用いたローターでさえインサート成形により一体化されています。クォーツ時計化に伴う輪列トルクの減少およびプラスチック部品化によって摩擦も減少、サファイア0個を実現しました。あらゆる細部の加工が完全に機械で行われています。時刻合わせ方法には3番車着脱方式が、部品の固定にはかつてないネジを使わない熱カシメ方式が採用されました。


4時間に及ぶ長い時間の画像処理と組み立てで完成した 「ぷぷぷぷ・ぷれげ」は、印象的なデザインのビニール袋に収められ、その日のうちにに披露されました。